ICOJ ムスリムの集い(2023年5月4日木曜日)@マスジド バーブルイスラーム 小山

ICOJ ムスリムの集い(2023年5月4日木曜日)@マスジド バーブルイスラーム 小山

2023年5月6日

5月4日(木)に、栃木県小山市のマスジド バーブル イスラームにて、ICOJ ムスリムの集いが開催されました。

男女別のウルドゥー語プログラム、男女一緒(仕切りあり)の日本語プログラム、英語プログラムがありました。

参加者はパキスタン人ムスリム(イスラーム教徒)と彼らの子どもたち・若者が多かったですが、ノンムスリム(イスラーム教徒)の日本人で、今回初めて参加される方、以前にもイベントに参加されたことのある方もいらっしゃいました。

わたしは今回、日本語プログラム(中学生以上のプログラム、小学生プログラム)、ウルドゥー語プログラム(ただし日本語でのダルス)でレクチャーなどを担当しており、自分の担当以外で参加できたプログラムは限られますが、内容を簡単に共有したいと思います。

*本記事で掲載している写真は全て、ルビ先生からのものです。

夜の旅章82節の解説@中学生以上対象のプログラム

夜の旅章82節の解説

わたしが担当した内容です。以下のお話をさせていただきました。

  • 夜の旅章82節では、『クルアーン』が信仰者たちにとって癒しと慈悲であること、不正な者たちにとって損失の上乗せになることが述べられている
  • 信仰者たちは『クルアーン』を自分の人生の案内役にする人たちで、『クルアーン』の教え・ルールに従って生きる。その結果、アッラーから多くの祝福を与えられる
  • 信仰者たちにとって『クルアーン』は、さまざまな病への癒しとなる
    ◉精神・こころ・魂の病(例:間違った信条や疑いといった汚れからのこころの浄化など)
    ◉道徳面での病
    ◉文化的・社会的な病
    ◉肉体的な病など
  • 不正な者たち(『クルアーン』の導き・教えに背を向けて拒否する人たち)は、不利な状況に追い込まれる
    ◉迷いからの救いである『クルアーン』が理解できないよう、こころに覆いが、耳には重しがかけられる(夜の旅章45〜46節)
  • 『クルアーン』を拒否する人たちは、『クルアーン』を知る以前の状態よりも悪い状態に陥る
    ◉『クルアーン』を知る前は、無知により迷っていた(ジャングルで地図がなく迷っていた状態)
    ◉『クルアーン』を与えられたことで、真理・偽りが明確になった(地図を与えられて正しいルート、間違ったルートが明らかになった)
    ◉そのため、「自分は無知ゆえに間違ってしまった」という言い訳ができなくなった
    ◉『クルアーン』の導きを拒否して誤った道へ進んだ場合、『クルアーン』は、真理を拒んでアッラーに逆らった証拠になってしまう
    ◉『クルアーン』を知らずに迷っていた状態に比べ、『クルアーン』を知ったうえで拒否してしまった状態のほうが損失が大きくなるのは明らか
  • では、『クルアーン』にどのように接していくのが望ましいか?
    ◉唯一の神アッラーの御言葉として、敬意をもって正しい方法で読む
    ◉敬意をもって聴く
    ◉意味を深く理解することに努める
    ◉『クルアーン』の教えに従う
    ◉『クルアーン』を学んで教えるなど
  • これらが完璧にできなくとも、アッラーはそのニーヤ(意図)・イフラース(アッラーのためだけという純粋な目的)・努力を評価してくださる
  • 『クルアーン』はさまざまな形でこれからもずっと残り続けるが、わたしたちのこころのなかに入れ、次世代に伝えていくことも大切
  • 「クルアーンそのものだった」と言われる預言者ムハンマド様ﷺを模範とするわたしたちは、一生をかけて自分の人生を『クルアーン』に近づける努力をしていくことが大切
  • ラマダーンが終わっても、たとえ少しであっても『クルアーン』に接することを継続していきましょう

イスラーム式・心の健康法(アーミナ岡本先生)@中学生以上対象のプログラム

  • ラマダーンが明けてから、善行への努力が少なくなる人が多いのはなぜか?
  • 「シャイターン(悪魔)が再び動き回るようになるから」とよく言われるが、実際にはシャイターンは弱い存在。シャイターンの囁きを受け入れる自分自身の自我(ナフス)が問題である
  • アラブでは、ナフスは暴れ馬に例えられる。最初は暴れるが、上手に手懐けると従順になる
  • イスラームでは、ナフスに対してどうすべきかについても教えている
    ◉アキーダ(神学・教義):目に見えないものへの知識(理性が対象)
    ◉シャリーア(法):行動の規範(行動が対象)
    ◉タズキヤ(精神浄化):アッラーから与えられた人間のさまざまな欲求の扱い方(こころが対象)
  • アッラーはわたしたちの「こころをご覧になる」
  • イフラース(アッラーのためという純粋な目的)をもっておこなわないと、あらゆる善行の価値はゼロ
  • ラマダーンの断食は、イフラースの良きトレーニングだった(ほかの人が誰も見ていなくても、ッラーのために断食を継続した)
  • 他人の満足を求めておこなう善行は何が問題なのか?
  • 他人の満足は、求めても決して得られない→しかし、人間は誰でも報われたいもの
  • 決して得られることのない「他人の満足」を求めてこころを病まないように、「わたしのためだけにおこないなさい」とアッラーは教えている
  • アッラーのために善行をおこなうことで、こころの健康が保てる。アッラーのためにおこなわれた善行は絶対に無駄にはならない。必ず報いがある

わたしたちはなぜムスリムなのか(ハーフィズ・ウスマーン先生)@中学生以上対象のプログラム

わたしたちはなぜムスリムなのか

後半のみの参加となりました。

  • 月や太陽をはじめ、この全宇宙にある存在は全てアッラーが定めた法則に従って動いている
  • その意味で、この世の全存在が広義のムスリムと言える
  • 人間の体や営みも全て、アッラーが定めたルールに従っている
  • つまり、「ムスリムである」というのは自然なこと
  • 不信仰者も、本来はムスリムであるはず(彼らの手足なども全て、アッラーの作ったルールに従って動く)
  • しかし不信仰者は、自分自身がアッラーのルールによって動いているという事実を隠してしまっていることからカーフィルと呼ばれる
  • 「わたしたちはなぜムスリムなのか」という問いは不自然で、むしろ問うべきは、「あなたたちはなぜムスリムではないのか」である
  • 人間は本来ムスリムであるが、今の時点でそれを維持できているのは素晴らしいこと(自信を持つべきこと)
  • 人間は3つのカテゴリーに分かれる
    1. 信仰している人
    2. 信仰を拒否した人
    3. 知識がなく迷っている人
    わたしたちには、3.の人たちにイスラームのことを伝えていく責任がある

小学生クラス

小学生クラス

ハーフィズ・ウスマーン先生と担当しました。

日本語話者が多いことを想定し、日本語のイスラーム・カルタなど用意していましたが・・・ほとんどがウルドゥー語話者だったため、予定を変更。

  • ハーフィズ・ウスマーン先生による、カリマ・タイイバ、カリマ・シャハーダ、ファーティハ章やそのほかの短いスーラの解説と復唱
  • イスラームに関するクイズ大会

という内容になりました。

長い時間の授業でしたが、子どもたちはずっと楽しそうに過ごしてくれました。

クロストーク:イスラーム離れをする第二世代?(アハマド前野先生)

クロストーク

小学生クラスと重なったため、わたしは参加できませんでした。Facebookで動画が共有されています。

多くの方が参加され、とても充実した内容のイベントだったように思います。参加された皆様にアッラーからの多くの祝福がありますように。